芸術の秋に相応しく、今日はリンカーンセンターについてお話しましょう。コロンバス街62丁目から66丁目目での4ブロック(400m)を占めるリンカーンセンターは、ニューヨークの音楽と舞台芸術の中心と言っても過言ではないでしょう。
世界中のアーティストにとっては、正に檜舞台です。プラザの黒大理石の噴水をはじめ、大理石をふんだんに使った7つの建物から成るリンカーンセンターの総工費は、殆どが一般からの寄付だと聞けば、如何に人々が熱意と期待を寄せてこの完成を待ったかがうかがえます。
実はこの地域、それ以前は荒廃していて、かの有名な「ウエストサイド物語」のロケが行われた場所だとは、今では想像もつきません。
正面右手に建つエイブリー・フィッシャー・ホールは、センターの中で最初に着工され、ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会場です。
正面左手にあるニューヨーク州立劇場は、1964年に完成した2700人収容のホールを持つ豪華な劇場で、ニューヨーク市バレエ団とオペラ劇団の本拠地です。毎年クリスマス時期には、ここでくるみ割り人形を見るのが、楽しみでした。
正面に堂々と聳え立つのは、10階建てのメトロポリタン・オペラハウス。回転式の巨大なステージがあり、メット・オペラとして有名ですよね。初めて鑑賞した時には、ステージに本物の馬やロバが出て来て、驚いたものです。バックステージ・ツアーも本当にビックリ。まるで木工所や縫製工場が、劇場内に移転してきたかのように、本格的な舞台作りの裏側を、覗く事が出来ます。
オペラハウスの南側には、グッゲンハイム・バンドシェルと呼ばれる、野外劇場では、3500人を収容出来、無料コンサートなどが催されます。
その他、只今改装工事真っ最中のアリスタリアホールなどの2劇場、そして忘れてならないのは、ジュリアード音楽院もこの中に含まれる事です。舞台に関する音楽、ダンス、演劇などの総合研究所で、ここから数多くの大成した音楽家達が出ている権威ある養成所です。日本からも留学する方が少なくないと聞いています。
又、この周りには、劇場へ出かける人の為に、たくさんのお洒落なレストランも数多くあり、何となくハイソな感じ漂う場所になっています。
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