ニューヨークと言うとビジネス、芸術の中心地として名高いけど、実は数々の素晴らしい建造物が多いことでも、有名なんですよ。
一度は、合衆国の首都になった事もある都市ですから、古い由緒ある建物が今も健在なのです。築100年以上と言う建物が、ゴロゴロしてるんです。(笑)それと言うのも、市がランドマークに指定した建物は、内部はともかく、外観はそのまま維持しなければいけない事になっているからです。
とは言うものの、市から補助金は一切出ません。ですから維持出来なくなったオーナーは、売るしか道は無いんですよね。ちょっと可哀想ですね。
今は、ディズニーが所有している、ニューアムステルダム劇場なども、面白いエピソードがあります。この劇場は、建築された当初はニューヨークっ子の目を見張らせるほど素晴らしく、当時、レビューなどが上演されていました。処が、不景気になりレビューも下火になってきたので、映画館に模様替えをしたんです。内部には素晴らしい彫刻なども多々ありましたが、映画館にふさわしくと、全部チョコレート色に塗られてしまったんですね。
しかし、この映画館も業績不振で、この建物を維持出来なくなったオーナーは、夜逃げをしてしまいました。何と70年近くもほって置かれたのです。42丁目、7番街の一等地なのにですよ。10年ほど前にディズニーが入手した時、内部には大きなきのこが一杯自生し、ネズミさんの宮殿になっていたそうです。(笑)
内部のペンキをはぎ、当初の色に修復し、ランプ等の壊れたものはレプリカを作り、傷ついた彫刻も修理をして素晴らしい劇場に再生したのです。そして「ライオンキング」が上演されました。現在は、「ライオンキング」はもっと広い劇場に移り、ここでは「メリーポピンズ」が、上演されています。
ご存知のように、ニューヨークと言えば摩天楼と言うように、地震の無いマンハッタンでは、50階以上の建物が軒を連ねています。なのに外壁の墜落事故は、殆どありません。それは市の条例で、5年毎に外壁のチェックが義務付けられているからです。
マンハッタンを歩くと、良く足場を組んだ建物が目に付きます。それは、外壁チェックの作業をしているのです。コンドミニアム(日本で言うマンションです)もしかり、ですから5年毎にその費用を支払う事になるのです。コンドミニアムには、24時間体制のセキュリティー体制があり、ドアマンやコンセルジュ、ポーター、ハンディーマンなどが常駐していますから、当然毎月メインテナンス・フィー(共益費)がいるわけですが、それとは別にこの外壁チェック代金がかかるのです。私が住んでいた1ベッドルームで、4,000ドルかかりましたよ。(涙)
こうやって、古い歴史ある街と最新の高層ビルが、仲良く共存しているニューヨークを守っているのですね。
又、IBMやフォード財団ビルなど、ビルの中に庭園をこしらえた憩いの場所も、多々見られます。次回、ニューヨークを訪れる際には、こんな所にも気を付けられれば、面白い発見があるはずです。
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